商品コード:1368-053b[SUPRAPHON] I.ヘンデル(vn)/ Vn作品集/タルティーニ:悪魔のトリル, ヴィエニャフスキ:スケルツォ・タランテラ 他
商品コード: 1368-053b
商品詳細:イダ・ヘンデルのチェコ録音の中でも一番珍しいリサイタル盤、小品全8曲。小品集と言えば、'50年代初期、高価なことで知られるHMVのCLPがあったが、やはり年代のせいか、あの時代の雰囲気の演奏とは異なる。しかし62年当時としては、伸びのあるボーイングとしっとりした表現、艶のある音色は、'50年代の録音からは得られなかった新しい発見でもある。Vn小品集の名盤の一つとして十分に推薦する内容を持ったレコード。ステレオもあるが音が細くなる。イダ・ヘンデル(1928 - 2020)はポーランド・ヘウム出身の女性ヴァイオリン奏者。幼児期より天才と称せられ、5歳にして既にチャイコフスキーやメンデルスゾーンなどをものにしたと言われる。公式デビューは1935年である。ワルシャワ音楽院に学んだ後、ベルリンでカール・フレッシュに、またパリでジョルジュ・エネスクにも師事した。同郷の大ヴァイオリニスト、ブロニスワフ・フーベルマンに認められ、有名な教師だったカール・フレッシュへの入門を勧められる。7歳で出場した1935年ヴィエニャフスキ国際コンクールで7位入賞(1位はジネット・ヌヴー、2位はダヴィド・オイストラフ)。第二次世界大戦中は、他の多くのユダヤ系ヴァイオリニストと同じく、英軍・米軍のために慰問演奏を行った。鋭いテクニックと、ニュアンスに富んだ音色が特徴的だが、気品よりは感情表出の激しさによって、女性ヴァイオリニストの中でも一頭地を抜いた伝説の存在であった。イギリス音楽にも深い関心と理解を示し、エルガーやブリテンの協奏曲を積極的に演奏・録音したほか、ウォルトンのヴァイオリン協奏曲の録音は、この作品の模範的演奏の一つに数えられている。英国楽壇への功労が認められ、1991年にはCBEを受勲した。年代は不明だが英国に帰化した。90歳を過ぎても来日公演を続けた。楽器はストラディバリウス(1696年製)を使用。レコード・デビューはSPレコード時代の1940年。以来、2008年まで、SP/LP/CDの3つのフォーマットに録音を続けた。LP末期の1985年にはバッハ:無伴奏Vnソナタとパルティータ全曲を録音した。彼女の商業録音としての最後は、2008年来日時の東京・麻布のスタジオでのセッション録音である(CDのみの発売)。SUPRAPHONへの録音は1960年代に3枚程度あるだけである。これはその内の代表作であり、8曲のピアノ伴奏の小品を収めた1枚。チェコ人ピアニストのアルフレッド・ホレチェクの伴奏での録音。卓越した語り口と力量で聴く者に感動を与える名小品集である。高難易度の曲をものともしない高い技巧を持つが、それを感じさせない自然なスタイルがあり、数少ないヘンデルの小品の傑作といえる1枚である。
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