商品詳細：「百万ドルトリオ」と呼ばれたハイフェッツ/フォイアーマン/ルービンシュタインのPfトリオの録音は、ハイフェッツとルービンシュタインの相反する音楽観・性格が火花を散らし合う、息を呑むようなスリリングさが魅力の名盤だ。その2人の間をとりなし、ハイフェッツからも絶大の信頼を得ていたフォイアーマン(Vc)が早逝し、あとを継いだのがピアティゴルスキーだった。ハイフェッツはピアティゴルスキーとともに、当時アメリカで活躍していた奏者と様々な組み合わせの室内楽を展開。このベートーヴェン弦楽トリオは'57年頃、ヴィオラ奏者プリムローズを交えての録音。こちらは、ハイフェッツが主導権を握り、3者が同じ方向を向いて、一貫したハイフェッツ・カラーにまとめられている。その分完成度は申し分なく、傑作Op.9-3やOp.8では熱気もよく伝わる。とはいえルービンシュタインと組んだ時に生まれる、崖を走り抜けるような感覚とは全く別の趣旨のアンサンブル。もちろん良し悪しではなく、組む人によってこうも音楽が変わる、それそのものが室内楽の妙であることを再考させてくれる、そんな一箱。(KT)

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