商品コード:1376-035tb[DGG] E.ヘフリガー(t)/ シューベルト:歌曲集「白鳥の歌」D.957/D.965a(全14曲)
商品コード: 1376-035tb
商品詳細:日本の中古LP市場で、男声歌手のレコードはほとんど壊滅的と言える程、見向きもされない現状であるが、ほんの一握りの歌手が残っていくだろう。ヘフリガーは独系歌手のトップ・テノールとして、例外的な男声歌手である。晩年、多くの来日、またClavesへの録音と、音楽活動は実に精力的であった。相棒ヴェルバのピアノ伴奏で、その強さと甘さを兼ね備えた名唱を披露してくれる。独系の代表として、骨太な強靭さがありながら、前面に出ず、優美であるのが人気の秘密だろう。エルンスト・ヘフリガー(1919-2007)はスイスの風光明媚な山村ダヴォスに生まれたテノール歌手。チューリヒ芸術学校とヴェッティンガー神学校に学び、往年のウィーンで活躍した名テノール、ユリウス・パツァークに師事。1942年、バッハの『ヨハネ受難曲』の福音史家を歌ってジュネーヴでのデビューを果たす。指揮者フェレンツ・フリッチャイの示唆を受けてオペラにも進出、1943年から52年にかけてチューリヒ歌劇場でレパートリーの基礎を固めてゆく。ヘフリガーは1949年のザルツブルク音楽祭で、オルフの『エディプス王』世界初演に参加、ティレシアス役を創唱して一躍その名を知られるようになり、当代屈指のリリック・テノールとして広範に活躍、1952から1974年まで第1リリック・テノール歌手を務めていたベルリン・ドイツ・オペラを本拠に、ヨーロッパとアメリカの主要な歌劇場で得意としたモーツァルトのオペラ上演に出演、その端正な歌唱で魅了した。オペラ歌手としての華やかな活躍を続けながら、リサイタルとコンサート活動も継続して行われた。特にバッハの受難曲における福音史家として傑出した名声を確立、1958年にカール・リヒター指揮で行われた『マタイ受難曲』の録音で、日本の音楽ファンにもその存在を強烈に印象付け、現在もなお多大な尊敬を受けている。また、ヘフリガーは後進の教育にも非常に熱心で、1971年からミュンヘン高等音楽学校で教授を務めたほか、チューリヒやマールボロ音楽祭等でマスタークラスを催した。日本にも1980年からの草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティバルに長年講師として参加、日本の歌曲をドイツ語訳で歌うなど、親日家としても知られてた。リートの上手いテノールとしての名声は特に日本で拡大し、中古LP市場で珍しく人気の高い男声歌手なのである。「白鳥の歌」は、「冬の旅」や「美しき水車小屋の娘」などの連作歌曲集とは異なり、本人の死後に出版社や友人たちがまとめたものであり、歌曲集としての連続性は持っていない。シューベルト自身も編纂に関係していない。近年は録音でも曲順を変えたりするようである。ヘフリガーの録音はこれらバラバラの曲を結び付きがある歌曲集として扱い14曲全部に統一感が感じられる。ヘフリガーは1990年代に日本の歌曲をドイツ語で歌うCDを3点も出していて、その人気も高い。
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