商品コード:1379-031t[ETERNA] P.レーゼル(pf) / ブラームス:Pf作品全集vol.4/バラード集Op.10(全4曲), 6つの小品Op.118
商品コード: 1379-031t
商品詳細:来日も多く今や日本で人気のペーター・レーゼルによるブラームス・ピアノ作品全集録音。今では死語となってしまったがライプツィヒにはその昔、若き日のバックハウスもいて、この世界地域で発展したスタイルを「ライプツィヒ楽派」と呼んだことがあった。チェロ奏者の間ではドッツァウアーやロンベルク、後世のフリードリヒ・グリュッツマッハーらととも使用される「ドレスデン楽派」があるが、ピアノの世界には小さいながらライプツィヒ音楽院で学んだ音楽家を中心に派生したグループが存在し「ライプツィヒ楽派」と呼ばれたのだ。ペーター・レーゼル(1945-)はドレスデン生まれだが、彼が「ブリュトナー」というライプツィヒで創業したピアノメーカーの物を使っていると読んだことがある。この「ブリュトナー」こそライプツィヒ楽派の必須の道具である。ピアノ業界に「ライプツィヒ楽派」という確たる定義を持った用語は無いそうだが、個人的にペーター・レーゼルこそ「ライプツィヒ楽派」の後継者なのではと密かに思っている次第。ETERNAのベートーヴェンとシューベルトの全集録音は重鎮のツェヒリンが担当した。レーゼルが唯一ETERNAでの全集録音を任されたのがブラームス・ピアノ作品全集(全7枚)であった。これはブラームス・エディションのピアノ部門としての1972-3年頃の録音である。1960年代のブラームス演奏に多い過度なロマンチシズムを排し、落ち着いてはいるが爽やかさが漂う洗練された美しい演奏である。全体の音は柔らかいのにクリアーな印象が出ている。音の輪郭がシャープで鮮明なのが特長だろう。べったりしたところがなく、とにかく音が綺麗で清々しい印象を受ける。ただし、それと引き換えに「苦悩するブラームス」が味わえない点は仕方がない話である。20年前はほとんど無名のレーゼルだったが、2005年にはドレスデン音楽祭で紀尾井シンフォニエッタ東京との共演によりベートーヴェンのピアノ協奏曲全曲を演奏した。この縁がもととなり2007年4月に日本では30年振りとなるコンサートを紀尾井ホールで開催した。さらに2008年10月からはベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲を同ホールにて4年にわたり演奏するプロジェクトが進行された。2021年の公演を最後に惜しまれつつも日本での公演活動に終止符を打つ。ETERNA音源のCD化も進んだようでレーゼルをCDで知る人も多くなった。レーゼルのブラームスはETERNAの中でも特別な録音シリーズといえる。チャイコフスキー国際コンクールにドイツ人として初めての入賞を果たしたことは余り知られていない。
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