商品コード:1380-045p[PHILIPS] I.ストラヴィンスキー/ ストラヴィンスキー:オペラ=オラトリオ「エディプス王」
商品コード: 1380-045p
商品詳細:ストラヴィンスキー自作自演による「エディプス王」は1927年に作曲された2幕からなるオペラ=オラトリオ。「オイディプス王」とも呼ばれる。「オペラ・オラトリオ」とはオペラとオラトリオの中間にある特殊な作品で、「エディプス王」は舞台上演は可能で、オペラ的な性格を持つものの、音楽は非常に形式的・荘厳で、ラテン語による静的な表現が中心。通常のオペラのような自然な対話や演技を重視せず、むしろオラトリオ的(演奏会形式に適した)性格を持つ作品。歌唱部分はラテン語、物語の説明(ナレーター)は現地語(初演時はフランス語)で語られる。ストラヴィンスキーがラテン語を選んだ理由は、観客に距離を置いた冷静な視点で悲劇を見せたかった為、非日常語であるラテン語としたとされる。台本はソポクレスの悲劇『エイディプス王』であり、古代ギリシア語なのだが20世紀に敢えて「死語」であるラテン語を使うことで、神話的・宗教的な格調を高めたとされる。ストラヴィンスキーの狙いは観客に感情移入させる従来のオペラではなく、古典悲劇を一種の儀式として提示することを目指した言われている。当時ストラヴィンスキーは「新古典主義」の方向に進んでおり、バロックや古典的形式を引用・再構築していた。「エディプス王」もこの方向性で「冷静な古典美」と「現代的な抽象性」を両立させた試みであった。ストラヴィンスキー以降「オペラ・オラトリオ」は大きな発展を見なかったが、ドイツではJ.ドリースラーの「生ける者」(1956),スイスではW.ブルクハルトの「イザヤの顔」(1935),F.マルタンの「ゴルゴタ」(1948),「降誕の秘跡」(1959),フランスではG.ミゴの「山上の垂訓」(1936)などが作曲された。「エディプス王」の台本はジャン・コクトーがフランス語で書き、それを神学者のジャン・ダニエルーがラテン語に翻訳した。初演は1927年バレエ・リュスのパリ公演の一環として、ストラヴィンスキー自身の指揮でフランス語で行われた。しかしバレエ音楽と勘違いした聴衆たちは困惑したらしい。合唱曲としての要素が強く、多くの聴衆にとっては謎の作品であり続けたといわれる。ストラヴィンスキーが世に問うた意欲作であったが、オペラに慣れた聴衆には受けなかったようである。確かに楽しく面白い作品ではない。1967年イタリアの映画監督ピエル・パオロ・パゾリーニによって映画化された。この録音ではジャン・コクトー自身がフランス語でナレーションを担当している。この録音は1951年ケルン放送局の録音スタジオ、通称「フンクハウス」の落成記念として録音された。欧州各国から大物が集まっての録音だった。
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