商品コード:1380-002n[ETERNA] G.シュマール(vn) K.ケブラー(cemb) S.パンク(gamb) / バッハ:Vnとcembのためのソナタ1~6番BWV.1014~1019
商品コード: 1380-002n
商品詳細:17世紀イタリア製古楽器「 Paolo Maggini, Brescia」を使用して、1985-86年に録音されたバッハ:Vnソナタ全集。これまでETERNAではオイストラフ/ピシュナーによるMELODIYA=ETERNA共同製作録音が出ていたが、これは完全に旧東ドイツの演奏家による独自録音。一応古楽器奏法に準拠してはいるが、クイケン達のようなオーセンティックスタイルではなく、現代と双方の良いところをミックスしたような折衷スタイル。何より楽器の出す音の美しさに魅了される。すこぶる自然な音でエコー感は殆ど感じない。本人の息までしっかりと収録された素晴らしい録音。チェンバロはクリスティアーヌ・ケブラーで彼女もまた1710年製Johann Heinrich Harnaß, Großbreitenbachの古楽器をコピーした1982年ライプツッヒ・Firma Amme製の楽器を使う。当然ジークフリート・パンクが通奏低音で使用するガンバもまた1693年Martin Hoffmann, Leipzig製の古楽器である。録音はEberhardt Hinzによる自然な雰囲気のデジタル録音である。ETERNAにもついに1980年代に入り古楽の波がやって来たが、安易に迎合することなく、カール・マルクス大学にある研究機関の知見を反映させ吟味された古楽演奏法が採用されているようである。他のレーベルでは演奏法が優先されるあまり音楽性が二の次となる録音が少なくない中でETERNAの古楽演奏はバランスを重視した適切な手法であると言える。その答えがこの録音である。わざわざ遅いテンポを取り、ヴァイオリンの僅かなヴィブラートを伴うロングトーンを採用している。これはETERNAだけの研究成果の結晶であり、美学の点で他レーベルを圧倒する美しく音楽性の高さを感じさせる古楽演奏である。年代を超え感動をもたらすバッハの一つ。オイストラフの録音で済ませたバッハEDが悔やまれる。グスタフ・シュマール(1929 - 2003)は旧西ドイツ・ノルトライン=ヴェストファーレン州のヘルフォルト生まれのヴァイオリニスト、大学教授である。1950年に東ベルリンのハンス・アイスラー音楽大学でハンス・ハーフィマンに学ぶほか、東ドイツでデイヴィッド・オイストラフの唯一の弟子であった。シュマールは一時的にベルリン放送交響楽団のコンサートマスターを務め、1973年から1984年までライプツィヒの「フェリックス・メンデルスゾーン・バルトルディ」音楽大学の学長を務めた。最終的に母校のベルリン・ハンス・アイスラー音楽大学で教授として後進を育成した。ライプツィヒ国際バッハ・コンクールの審査員などを務めた。1989年の政治体制が変わる転換後には、思い切って大学や音楽一筋から離れ、タクシー会社を創業するという意外な道も歩んでいた。シュマールはオイストラフの影響を受けつつ、新しい音楽への取り組みや後進の指導、さらに行政的役割まで担った多才な音楽家で、ズスケとは異なる路線で旧東ドイツのヴァイオリン音楽に貢献した。変化を恐れず、ズスケも手を出さなかった古楽演奏にも挑戦した事実は大きい。
G.シュマールの在庫一覧へ









