商品コード:1381-062[GUILDE du DISQUE] C.シューリヒト/ シューベルト:交響曲9番D.944「グレイト」
商品コード: 1381-062
商品詳細:近年では入手難になりつつある。シューリヒトのシューベルト:グレイトはDECCAにもEMI系にも録音が無く当コンサートホール系レーベルにしかない録音である。このコンサートホール系音源なら、価格的にも充分に手が届くはず。オケが変わってもシューリヒトのスタイルは一貫していて、颯爽としたテンポで、どんなオケでも自己を貫徹する。そのあたりにこの指揮者の信頼性がある。シューリヒトにこの曲は合わないかと思ったが、出だしが驚く程スマートで驚いた。シュトゥットガルト・南ドイツ放送so.とは数曲録音していて相性が良いようだ。フランスではステレオは1970年代中期まで発売されなかったようである。シューリヒトにコンサートホール系録音が多い理由はミュンシュやモントゥーとは理由が異なる。カール・シューリヒト(1880- 1967)はドイツ人だがウィーン・フィルやパリ音楽院o.と相性が良く、多くの名演奏をそれらと残したがあまりの完全主義に一切の妥協をせずプロデューサーとは常に衝突を繰り返し、しまいには首になってしまったらしい。楽団員からは尊敬されていた。それで1960年から自由が利くConcert Hall Societyのようなレーベルに籍を置くことになったらしい(規模は世界最大)。ありていに言えば拾ってもらったといっても過言ではない。Concert Hall だけがシューリヒトが自分らしく録音できる最期の砦となったのである。悪く言えば他に行くところがなかったというのが正直な話だろう。1960年代はじめ大物指揮者が居なかったConcert Hall Societyでシューリヒトは思う存分腕を振るい、このマイナーレーベルに素晴らしいカタログを作り上げた。中古市場ではチープレーベル扱いの為、また大量のプレスが世界中にあるため安価である。しかし内容はシューリヒトの意図が完全に反映された演奏となっておリ、オーケストラの質さえ高ければ第一級の名演にも引けを取らない演奏であることは紛れもない事実である。商業第一主義のメジャーレーベルから追放されたシューリヒトだったがConcert Hall Societyという安住の地を見つけて自身の思う演奏ができたことは幸福だったのではあるまいか。一つ惜しむらくは一流のオーケストラを振ることができなくなってしまったことである、その中でもDGGでメジャー録音が多いシュトゥットガルト・南ドイツ放送so.はConcert Hall Societyが用意できた最上級のオケである。チープレーベルという先入観でこれらを見送っていると、音楽の本質を見失い、最も愚かな行為である周りに迎合するという悪癖を身に付けることになりかねない。レコードの値段は内容と比例していないことをここで申し上げておきたい。ステレオも存在するがモノラル50枚に対しステレオ1枚程度の割合でしか存在しない事実を知っていただきたい。
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