商品コード:1381-054[GUILDE du DISQUE] C.フェラス(vn)/ Vn小品集/ヴィエニャフスキ, ドヴォルザーク, ショパン 他
商品コード: 1381-054
商品詳細:多国籍レコード会社である「コンサートホール・レーベル」は当初価格の安さと通信販売方式という手軽さで世界中に展開し、大きな成功を収めたレーベルだったが、音楽家の知名度や使用できるオケのレベルなどでニ流の扱いに甘んじていたところがあった。しかしそういう流れを打破する為か、1960年代中期にはチェロのピエール・フルニエの録音を行い、世界をアッと言わせた。大物器楽奏者の第2弾として契約が交わされたのがヴァイオリンの大物であるクリスチャン・フェラスである。クリスチャン・フェラス(1933 - 1982)はフランス生まれのヴァイオリニスト。モノラル期はDECCA、Telefunken、EMI系等に多くの名演を残した名ヴァイオリン奏者である。1964年頃から相棒のピエール・バルビゼとともにDGGに移籍し、カラヤンと組んで多くのメジャーVn協奏曲録音を残したことで知られる。DGGに残した最後の録音が1968年の小品集で1969年に発売され、それがDGGでの最後のLPとなった。その隙間に乗じたのが「コンサートホール」であった。1970年にはラロ:スペイン交響曲を発売している。翌1971年からは古き相棒のピエール・バルビゼと2回目のベートーヴェン:Vnソナタ全集を発売。そして1972年に発売された「コンサートホール」での第3弾がこのオーケストラ付き小品集である。1965年に発売されたフルニエのオーケストラ付き小品集に対応する「コンサートホール」の勝負玉であった。この時フェラスはまだ39歳頃であり、衰えが指摘された1960年代後期からみると、すでに全盛期を過ぎてはいたが、新天地で新しい気分で精力的に録音を行うフェラスに復活の兆しを感じた方は多かったに違いない。このLPを聴く限りDGGの最後の小品集と同等以上の気力を感じる。この後の1978年には米国レーベルのSine Qua Non Superbaからバッハの「無伴奏Vnソナタとパルティータ」全曲を発売して驚かせた。1975年には、その功績によってパリ音楽院より表彰されたが、健康の不調を理由に、公的な活動からは退くようになる。フェラスの病的な飲酒癖はつとに知られており、周囲からは、演奏活動の極度のストレスからくるものとみなされていた。精神を病んだ彼は1982年に悲劇的な最期を迎えてしまう。DGGの小品集とはダブらない内容で、控えめなオーケストラがバックにつ付き、やや細身ながらフェラスのソロが軽快に歌うように展開する。全体に軽くなった印象はあるものの、以前より深みと温かみのある表現へ変化している。偉大なヴァイオリン奏者の晩年というには早過ぎる39歳頃の記録である。ピアニストと比べ、劣えが早といわれるヴァイオリン奏者。若い時のような芯の強い輝くような音が出せなくなったヴァイオリン奏者の晩年期の味わいというものが全面に出たLP。それでも工夫を凝らし音楽への高い追及を求めた姿がここにある。
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