商品コード:1382-026[PHILIPS] R.カサドシュ(pf) / ベートーヴェン:Pfソナタ14番Op.27「月光」, 26番Op.81「告別」, 23番Op.57「熱情」, 24番Op.78「テレーゼ」
商品コード: 1382-026
商品詳細:カサドシュのベートーヴェン:ピアノ・ソナタ録音は多くはなく、1950年代に米コロンビアにソナタ第14番「月光」:嬰ハ短調 Op.27-2、ソナタ第23番「熱情」:ヘ短調 Op.57、ソナタ第24番「テレーゼ」:嬰ヘ長調 Op.78、ソナタ第26番「告別」:変ホ長調 Op.81a、ソナタ第2番:イ長調 Op.2-2、ソナタ第28番:イ長調 Op.101の6曲が全てと思われる。ヴァイオリニストのジノ・フランチェスカッティとの共演によるヴァイオリン・ソナタ全集は2度の全集録音があるのに対し、ソロであるピアノ・ソナタ録音にはそこまで入れ込んでいなかったことが窺える。カサドシュの持ち味は何と言ってもフランス近代作品とモーツァルトの協奏曲にとどめを差す。但しカサドシュのベートーヴェンの価値は録音が少ないからこそのものがある。カサドシュの基本姿勢である、理知的でクールで情感を配したスタイルはベートーヴェンのソナタにはよくマッチしている。一定のテンポで淡々と指を進め、感情の激しさよりも構造の明確さを重視した演奏がカサドシュのベートーヴェンという独自の世界観を形作る。これはこれでなかなか印象深い演奏である。誰もがやろうとしてできるものではないからである。悲壮感が充満するシーンでさえフランス人らしい明るくクリアで洗練された表現で対処する姿勢にこそ独自さが宿っている。激しいパッセージにも対応する高度なピアノ演奏技術が基盤となっており、いたずらに劇性を強調することはないが、曲の持つ高まりに対しては相応の強く早い打鍵で即応できる能力をい持っている。知的でバランスの取れたアプローチが特徴のベートーヴェンであり、録音の少なさが決して苦手としていたわけではない。フランス作品と同様か、それ以上に魅力高い演奏が実はベートーヴェンのソナタであった。想像を越えて素晴らしい演奏である。
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