商品コード:1382-025[PHILIPS] R.カサドシュ(pf) / ショパン:Pfソナタ2番Op.35「葬送」, バラード1~4番(全曲)
商品コード: 1382-025
商品詳細:Pfソナタ2番は1946年SP録音。バラード全4曲は1950年のモノラル録音。どちらもニューヨークで録音され米COLUMBIA~別々の10"LPで発売された。欧州では10"が発売されず、1958年頃フランスPHILIPS~これら2つがカップリングされた12"が出たものが当LPである。オランダと英国からは発売された様子がなく未発売の可能性が高い。元々カサドシュはショパンを多く録音するピアニストではなかった。但しSP期には多少の録音があり、バラードは1929-30年にはSPで全4曲を録音していた。カサドシュは第二次世界大戦中は米国に亡命した。 亡命する以前の1935年から、フォンテーヌブローのアメリカ音楽院で教鞭を執っており、米国との関係が深まっていた。米コロンビアへの録音は、1940年2月から始まり、米国亡命中にコロンビア交響楽団などと共演した録音もあり、ソロ録音もかなりの数が米COLUMBIAでSP録音されたようである。米国が米COLUMBIAにてLP製造を開始するとカサドシュもフランス作品を中心にラヴェルのピアノ作品全集やドビュッシーのピアノ作品集などを1950年代初期に録音している。それらの中にショパンのソナタ2曲(2/3番)とバラード4曲が含まれていた。欧州ではカサドシュが米国で行った録音はPHILIPSで発売されたが、全てがリアルタイムではなく、またPHILIPSにとってはそこまで重要な録音ではなかったと思われる。特にショパンは他のピアニストの録音も多くあり、カサドシュの米国録音を必ず出す義務はなかったのである。しかし録音から8年程経過して、ショパンが1枚のLPで出たことは1950年に帰国し、1952年までフランスでアメリカ音楽院の院長となり祖国の音楽界に貢献した功績が認められたことによるものだろう。カサドシュのショパンは1940年代という時期にしては理知的であり時代を先取りしたような現代感覚のスタイルである。彼の1950年代、1960年代録音と基本変わらない。ショパンらしい感情移入は最小限に抑えられてクールと言ってよいスタイルである。これらはラヴェル等と共通するもので、カサドシュの根幹を貫く姿勢らしい。その為流麗さを欠く部分が感じられるが、この辺りも含めてカサドシュの演奏といえる。本人もまたショパンに対し大きな情熱を持っていた節は感じられない。だから多くの録音はしなかったと思われる。このあたりは完全に個人の好みといえるだろう。
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