商品コード:1383-061[COLUMBIA] D.リパッティ(pf) / ショパン:14のワルツ/ワルツ1~14番
商品コード: 1383-061
商品詳細:リパッティによるショパン・ワルツ集。未だにこれに優る演奏は聴いた事がないのだが、多くの方もそうであると思う。それ程に素晴らしい演奏である。彼の演奏があれ程までに格調高く洗練されているのは、エネスクを代父に持ち、コルトーに認められ、ブーランジェに作曲を師事した事にもよるだろうが、それだけでは説明のつかない何とも言えぬ魅力がある。一家に一枚あって良い名盤。まだ聴いた事のない方は是非この機会に、最高のワルツを聴く事になるだろう。プレスの多い録音ではあるが、初期プレスで聴けばリパッティだけが持つ、ある種の不思議な魅力の虜になっていることに気が付くのである。1950年9月16日ブザンソンの演奏会でも弾いた曲だが、当録音はまだそこまで病魔に侵されていなかったのか、既に進行を始めた病が迫りつつある中でそれを全く感じさせない、生気が滲み出た名人級の至芸である。1953年FCX 156で単売されたが1957年頃セット化販売とシリーズ化の為、FCX 492に番号変更されペラジャケットからカッサンドル工房デザインの棒付きジャケット入りとなった。こちらの方がメジャーである。カップリングは同じで同一マスターを使ったプレスなので音質差は極僅かと思われる。録音は1950年7月3-12日ラジオ・ジュネーヴ、スタジオ3でのスタジオ録音である。尚、巷には異説がある「この録音は1947年にロンドンで録音されたものでプロデューサーのWalter Leggeがひそかにすり替えた」--らしい。その根拠は「病状がわずかに好転した合間を縫って演奏され、リパッティ自身もOKを出した50年の録音より、破棄されたことになっている47年のスタジオ録音の方がはるかに出来がいい」と、Walter Leggeが勝手に判断した、というものである。リパッティはその年の12月2日に亡くなるわけだが、演奏からその予兆すら感じられない--というものである。確かに1947年にロンドンでワルツ2番が録音されたのは事実でSP発売されている。さて真相は闇の中ではあるが、死を悟った人間がこの演奏のような平明な心の境地に達することは十分にあり得る。だがらのこような稀代の名演が生まれたとも言える。どちらが真実であるか是非、聴いて判断していただきたい。尚、変則的な曲順には意味があるらしいが真意は不明。1950年録音が本当だとして、それ以降のプロのピアニストがこの曲を録音する段になったとき、一度は耳にしたはずと思われる録音である。容易に入手できる上にショパン:ワルツの聖典のように言われてきた録音だからである。ある意味、既に動かし難い完成度を持っていて、例え新規録音を行うピアニストが聴いたとしても恐らく何の参考にもならなかったと思われる。クラシック音楽とはそいうものなのだろう。なお当時は14曲を全曲とする慣例があった。
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