商品コード:1383-046[SUPRAPHON] S.ボード / ラヴェル:ダフニスとクロエ第1組曲 , ラ・ヴァルス, ボレロ, 道化師の朝の歌
商品コード: 1383-046
商品詳細:Supraphonは当時からアンチェルのようなチェコ人指揮者は自国作品のイメージアップのために国際的な「チェコ音楽の顔」として温存し、海外作品は国外の西側指揮者で--というSUPRAPHONの確固たる戦略があった。民族音楽=自前の指揮者(アンチェル、ノイマン)で固める。国際的名曲=西側で売れる外国巨匠を招いて権威付けする。この二本立ての大きな方針のもとに、フランス系作品はフランスの指揮者を招聘してチェコのオーケストラを振ってもらい、チェコのオーケストラを国外にアピールすると同時に万遍ない作品のカタログの充実を目指した。実際フランス作品を演奏できる指揮者は国内にはおらず、付け焼刃的な演奏で恥をかくより、本場の指揮者を招くことが得策であり宣伝効果もあった。数人のラテン系指揮者がチェコで録音を行ったが、当ラヴェル録音ではS.ボード指揮が選任された。セルジュ・ボード(1927-2022)はフランス・マルセイユ生まれの指揮者。ポール・トルトゥリエは叔父に当たる。パリ音楽院で和声法と指揮法のクラスで首席となった後、ラムルー管弦楽団の打楽器奏者として音楽活動に入る。また国内の放送局で作曲家として活動を始め、ルイ・マルやジャック=イヴ・クストーらの映像作品の作曲を担当した。指揮者としては1959年に活動を開始し、1962年にはヘルベルト・フォン・カラヤンの代役としてミラノ・スカラ座でドビュッシーの歌劇「ペレアスとメリザンド」を指揮して、一躍名を馳せる。長年にわたってエクサン・プロヴァンス音楽祭の常連指揮者としても成功を収めてきた。また、創設間もないパリ管弦楽団のアシスタント指揮者を務めた。1969年~1987年までリヨン国立管弦楽団の芸術監督を、2001年~2006年の末までプラハ交響楽団の首席指揮者を務めた。最初のSUPRAPHON録音は1961年からでチェコ・フィルハーモニー管弦楽団とはオネゲルの交響曲全集や、ドビュッシー管弦楽曲集の録音を残している。1977年までに9点のLPをSUPRAPHONに入れた。一般にはジャン・フルネ程の大物とは見なされていない為か、SUPRAPHONも長く引き留める事が出来たようである。ボードにとってもSUPRAPHON録音は自身の重要なキャリアとなった。ボードの特徴は透明感を持ちながらも、響きを整理して全体を見通し良く提示するスタイル。「ダフニスとクロエ」ではスケール感もありイメージが浮かぶ幻想感が表現されている。安定したテンポで「ボレロ」では全体に大人しく感じる。「ラ・ヴァルス」では大きな抑揚を付けている。過度にロマン的な表現は抑え理性的にまとめる演奏をしている。一世代前のフランス人指揮者より近代的なアプローチを見せるが、その分フランス的なエスプリはやや後退する印象。フランス作品をインターナショナル的に聴かせるのが上手い指揮者である。職人指揮者と呼んで差し支えないタイプ。
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