商品コード:1383-024tb[SUPRAPHON] K.アンチェル/ R.シュトラウス:ティル・オイレンシュピーゲルOp.28, ストラヴィンスキー:ペトルーシュカ(1947年版)
商品コード: 1383-024tb
商品詳細:アンチェルの非常に珍しい希少録音、1963年の発売。こんな曲まで録音していたのは意外。ジャケ・デザインは通俗的だが中身は驚くほどの熱演。しかも超が付くオーディオファイルと言ってよい。高音質録音でダイナミックレンジも大きい。アンチェル好きでなくとも偶然にこのLPを手にした方は絶対に手放す事はないだろう。アンチェル/チェコpo.恐るべし。特に、ティルは反応の素早いオケの瞬発力に驚かされる。スポーツカーのような瞬間に爆発するオケは見事!カレル・アンチェル(1908-1973)は南ボヘミア地方の裕福なユダヤ人一家に生まれた。そのことがアンチェルの人生に暗い影を落とす。ユダヤ系であった為に、ナチスに家族全員収容所に入れられる。収容所を転々とした挙句、1942年、アンチェルの両親と妻と子供は、アウシュヴィッツでドイツ兵によって虐殺される。そして、アンチェルは、テレジンの収容所でひとり終戦を迎えた。終戦後、崩壊寸前だったプラハ放送交響楽団を2年で世界的なオーケストラに仕立て上げ、1950年にはクーベリックの去った後こちらも悲惨な状況にあったチェコ・フィルに就任、4、5年で世界的水準にレベルアップさせた。'50年代後半には一流オケとして世界中を演奏旅行に出掛ける。日本への来日は1959年、そのとき偶然ウィーン・フィル初来日が重なったが、その時のチェコ・フィルの充実したアンサンブルはウィーン・フィルを凌いでいたという。1968年、チェコで起こった自由化・民主化の運動を鎮圧させる為に、ソ連はワルシャワ条約機構軍を進駐させた。いわゆるチェコ事件である。そのときたまたまアメリカ演奏旅行中だったアンチェルは、かねてよりチェコ政府に対して反感を抱いていたこともあり、チェコ・フィル、プラハ音楽アカデミー教授を捨ててカナダに亡命する。そして前指揮者の退任が決まっていたトロント交響楽団に着任する。が、その後は肝臓疾患と糖尿病に苦しみ、ほとんど目立った活躍をすることなく、1973年に異国の地でこの世を去る。65歳だった。代表作である「新世界より」は圧倒的な人気を誇り、アンチェルは日本でブレイクした。アンチェルが去った後、チェコ・フィルがあの輝きを取り戻すことはなかった。悲惨な人生を体験したアンチェルの音楽は押しなべて優しく感じる。上品であり押し付けがない。ターリヒと並び称されるべき指揮者だろう。アンチェルはストラヴィンスキー作品も得意としていて、「春の祭典」の名演もあった。全体的に速めのテンポで、上品ではあるが熱のこもった端正な演奏!
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