商品コード:1383-015[Valprivas] H.サロメ(pf) / モーツァルト:序奏とフーガK.399(K.385i), 10の変奏曲K.455, シューベルト:即興曲.D..946
商品コード: 1383-015
商品詳細:日本ではほとんど無名の女性ピアニスト、エレーヌ・サロメ。パリから電車で5時間ほど南下した場所にヴァルプリヴァというお城がある。エレーヌ・サロメはこの場所と関係があり、ヴァルプリヴァ文化センターという施設の創設に加わっている。他には音響技師のアンドレ・シャルランも参加したらしい。因みにこの録音はアンドレ・シャルラン本人の手によって行われた。一説によればシャルランが最も信頼を寄せたピアニストがエレーヌ・サロメだったらしい。解説者である(今回名前は登場していないが、関わっていた可能性は大きい)カール・ドニとも親交があり、関係が深い3人である。曲はA面がモーツァルト2曲とB面がシューベルトの即興曲3曲。モーツァルトのパルティータとジャケットに表記されたK.399は現在、ピアノ組曲 序奏とフーガK.385iとされ、ヘンデルの1722年の組曲集から影響を受けていると言われ、「ヘンデルの手法による組曲」とも呼ばれている。この曲についてアインシュタインは次のように言っている。「この非常にややこしいイ短調のフーガの最も注目すべき点は、ハ長調の前奏曲からハ短調のアルマンドへの移行句の役割をしていることである。」但しこの組曲は未完に終わっている。ここでは聴いてみると明らかに曲としてきちんとした終わり方をしていて、サロメ本人又はA.ゴールドストーンの補完版での演奏だろう。他にはギーゼキングが全集の中で録音している程度である。エレーヌ・サロメはフリーデマン・バッハのソナタもHMに録音していて、知る人ぞ知る名盤である。アンドレ・シャルランの本分である「ワン・ポイント録音」がどういうものか、この録音ではっきりと知ることができる。自然な音の流れが見えるかの如く入っている。あまりに自然すぎて技師の存在が消えて無くなる瞬間が訪れる。それこそがシャルランが目指したところだろう。そのマジックを実現させてくれるピアニストがエレーヌ・サロメだった。さてこの録音は1962年頃仏Harmonia Mundi:HMO 30525で発売されたものと全く同じ内容。異なる点はHarmonia Mundiはモノラルだけの発売だったが当CCV 1003は真性ステレオという点である。つまりこのように推測出来る。当初モノラル/ステレオ録音の2種があったがシャルランはステレオに納得がいかずお蔵入りさせモノラルだけの発売を許可した。10年程経過して彼はステレオテイクの発売に解決策を見出しステレオ発売を願った。しかしHarmonia Mundiはウンと言わず、仕方なしに1973年当時関係のあったCentre Culturel De Valprivasからステレオ・ヴァージョンを発売した。これは完全なステレオである。HMO 30525のモノラル再生音は未だ耳に残っていて比較できる。10年前の完成度に達しているかと問われれば、答えはノーである。しかし10年間忘れることなくステレオ・ヴァージョンの発売を夢見てついに実現させたシャルランに敬意を払い、音質レベルは★★★★★とした。既にHMO 30525をお持ちの方には不要で余興の域を出ない。ジャケット裏に音響技師:Daniel Madelaineとの記載があるが2つのケースがあり得る。1つはステレオヴァ―シジョンの制作プロセスを任せた。もう1つはCCV 1003が過去のHarmonia Mundi録音で既に発売されていたことを伏せるため。但しステレオコンパチプロセスはシャルランとの記載だけある。
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