商品コード:1384-030[GUILDE du DISQUE] F.グルダ(pf) / ベートーヴェン:Pfソナタ集/8番Op.13「悲愴」, 20番Op.49-2 , 23番Op.57「熱情」
商品コード: 1384-030
商品詳細:グルダは複数回ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全集を録音しているが、これはそのどれとも異なるコンサート・ホール・レーベルに録音した3曲だけの録音になる。ステレオもSMS 2364で存在するがそれはドイツ盤だけで、フランスではモノラルだけの発売と思われる。グルダのベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全曲録音は1954年から58年にかけてのDECCA録音、1953~54年に録音したウィーンのラジオ放送局(RAVAG)録音(LP未発売)、1967年に墺AMADEOに録音したステレオ録音が知られる。ベートーヴェン:ソナタ全集の録音を計3セット(LP録音では2回)残したピアニストは、他にはアルフレート・ブレンデルだけはないかと思われる。バックハウスもケンプも2回であった。このコンサート・ホール録音はグルダがDGGを去ったあと、AMADEOとの正式契約の間を縫って10年間ほど続いた緩い関係の中で10枚程度録音された中の1枚である。中には協奏曲の録音もあった。時期的にはDECCAとAMADEOの中間に位置する。DECCA時代の演奏はどこか律儀で伝統奏法の範囲で行われたのに対し、AMADEOではかなり自由奔放なスタイルとなっている。グルダ節といわれるスタイルが完全に定着するのはAMADEO時代からといいえるだろう。この録音はグルダにとってこの2つの位置の橋渡しのような録音である。AMADEOでやるべき新スタイルの実験的録音であった事が窺える。ここでは小出しに来るべきグルダ節スタイルを綿密に調整している演奏なのである。演奏スタイルというものはある日を境に突然変わるものではない。実験と調整を経て変化するものである。グルダはコンサート・ホールという比較的自由に振る舞える環境で、実験と調整も兼ねた録音でAMADEOでのあるべき姿を探っていたのではないだろうか? グルダにもコンサート・ホールにも両者にメリットのある録音群となったのである。
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