商品コード:1384-008[PHILIPS] ブダペストQt. W.トランプラー(va) / モーツァルト:弦楽五重奏曲(全6曲/完結)
商品コード: 1384-008
商品詳細:ブダペストQt.のモーツァルトは有名とは言えないが、ベートーヴェンの固定的イメージからすると、期待を裏切るという点で面白い。良い意味で、この五重奏は裏切られる。四重奏よりも五重奏の方がピタリとくるようだ。特にこの英プレスで聴くならば、そのふんわりと穏やかな表情に驚かれるだろう。多くの方が恐れる、あのどぎつい耳に突き刺さる音は殆ど無い。一枚聴いたら、他も欲しくなる方が心配になる。是非お試しあれ。彼らはモーツァルト:弦楽五重奏曲全曲を3回録音している。1941-9年初回SP録音は追加Vaがケイティムズ、1956-7年2回目(当録音)モノラルがトランプラー、1966年3回目モノラル/ステレオ録音が同じくトランプラー。これは2回目モノラル録音。3種あると混同されやすいので注意が必要!今回トランプラーが追加された1956-7年2回目モノラル録音の英プレスが3枚揃ったのでセットで紹介。滅多にない事である。ブダペストQt.も1960年代中期となると個性が薄まり丸くなってしまう。この2回目がよりブダペストQtらしさを愉しめる録音であることは言うまでもない。ブダペストQt.は1917年、ハンガリーの首都ブダペストで結成された。当初のメンバーはブダペスト国立歌劇場管弦楽団の楽員で、全員がハンガリー人であった。しかし1927年ロシア人のヨーゼフ・ロイスマンが第2ヴァイオリンで加入した以降、1950年代には全員がロシア人になってしまう。さらにロイスマンが第1ヴァイオリンに就任すると、従来の第1ヴァイオリン主導型から全てのパートが均等の4人均等タイプへと変わっていく。ブダペストQt.は4人均等型の最初期の団体と言われる。モノラル時代の録音ではまだそれぞれのパートを精緻に、そして厳しく扱うことによって、恣意を許さぬ様式を樹立した頃のスタイルが色濃く残っていたが、1958年から始まったモノラル/ステレオ録音で大きくスタイルが変化したのはその為である。一言でブダペストQt.を語ることはできない。評論家諸氏はこの団体を5つの期に分けているが、それはあまりに専門的すぎるのでここでは初期~中期のスタイルとして紹介したい。ここには時代と大衆に迎合する以前の最終期の古き良き時代のブダペストQt.の姿が詰まっている。彼らが単に硬く厳しさだけの団体ではなかった事が理解されるはず。この録音当時のメンバーはロイスマン/J.シュナイダー/B.クロイト/M.シュナイダーの4人で第2Vn以外は最後のメンバーである。1967年に最後の公演を行って以降活動を停止したままである。チェロのM.シュナイダーの事故や健康上の問題らしい。1967年に事実上解散したと考えられる。
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