商品コード:1385-032[PHILIPS] P.カザルス(vc) W.ケンプ(pf) 他/ ベートーヴェン:Vcソナタ1番Op.5-1, Pfトリオ5番Op.70-1「幽霊」
商品コード: 1385-032
商品詳細:ピアノ・トリオ5番「幽霊」の録音はドイツ・ボンのベートーヴェン生家でのシリーズ録音ではなく1961年のプラド・カザルス音楽祭での録音である。ケンプとのVcソナタも同年録音。1958年ドイツ・ボン・ベートーヴェン生家でベートーヴェン:Pfトリオ3番、Pfトリオ7番Op.97「大公」の2曲がP.カザルス(vc)M.ホルショフスキ(pf)S.ヴェーグ(vn)の3人でライブ録音されていた。同月同メンバーでPfトリオ75番「幽霊」も録音していたがLP未発売だったことが判明した。この録音はベートーヴェン生家でのシリーズではなく、ピアノはM.ホルショフスキ(pf)ではなくK.エンゲル(pf)で1961年プラドのカザルス音楽祭での録音である。ジャケットにもはっきりと印刷されている。1960年からは、カザルスはルドルフ・ゼルキンが主宰するマールボロ音楽祭に参加することになるが、プラド・カザルス音楽は続いており、カザルスの出演は1966年の90歳まで続いた。1976年にはプラド音楽アカデミーが設立され、若い演奏家のための器楽・室内楽のマスタークラスが設置された。2005年からは作曲コンクールが創設された。プラド・カザルス音楽祭は現在でも存続している。但しカザルスを筆頭とする演奏者達のわがままに振り回されたシュナイダーらが音楽祭から手を引いたこともあり、1954年からは室内楽のみのプログラムに縮小を余儀なくされる等、プラド音楽祭は徐々に低調となっていった。この録音ではこれまで出演のなかったピアニスト、ヴィルヘルム・ケンプ(1895 - 1991)が参加。この時カザルスは85歳である。実は1958年には同じプラド音楽祭でベートーヴェン:チェロ・ソナタ第5番、ブラームス:ピアノ三重奏曲第1番も録音していた(LPはないと思われる)。この1961年プラド・カザルス音楽祭では他にもシューベルト:弦楽五重奏曲も録音されていた。1954年以降のプラド音楽祭録音が少なかったはずがだ、何故急に1961年の録音が発売されたのかについての理由は不明である。しかし一時下火となったプラド・カザルス音楽祭の録音が、1961年に返り咲き最低でも2枚のLPが発売されたことは嬉しい限りである。85歳をすぎてなお精力的な活動を見せる音楽家であった。
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