商品コード:1419-009[COLUMBIA] G.グールド(org) / バッハ:フーガの技法(1~9番)
商品コード: 1419-009
商品詳細:グールドはバッハ:フーガの技法について以下のように述べている---「鮮やかな色彩を避け、代わりに薄い灰色が無限に続く。…私は灰色が好きだ」。これはグールドが唯一オルガンを演奏した録音でもある。1962年1月のカナダ、1962年2月のニューヨークと分かれて録音している。グールドはオルガン用の楽譜ではなく、チェルニーがピアノ用に校訂した楽譜に足鍵盤の指定を自分で書き込んだものを使用したという。少なくともフーガ3番、4番、5番は手だけで足は使っていない。足鍵盤の使用は最小限に抑えられ、レガート奏法を徹底的に避け、楽器の送風音を目立たせる風変わりなマイクのセッティングを行った。まるで壊れた手回しオルガンのように不思議なわいである。極めてオルガンらしくない、ピアノ奏法をオルガン演奏に持ち込んだような奇妙な演奏である。発売当初は賛否が分かれたらしい。グールドの残した録音中で最も奇妙な演奏らしい。オルガンの特徴である、音の伸びや持続音を無視したような奇妙奇天烈な演奏である。グールドは何故か曲の前半部分(Contrapunctus I-Contrapunctus VIII)までしか録音せず、そのまま途中までの1枚LPで発売した。どのような意図でこのような発売となったかはグールドしか知らないのだろう。グールドはピアニストとなる前にはオルガニストであった時期があり、オルガンを持ち出した点は理解できる。しかし前半部分の発売から5年後の1967年11月のカナダでB.898(フーガの技法とは別の曲)をピアノで録音し、フーガ第1・2・4・9・11・13・14番の7曲を1980年4月にカナダでピアノで録音(完結していない)。このピアノ演奏(第2部)はLPでは発売されていない。ピアノ演奏はCDでしか聴くことはできない。第2部でピアノが使用された一因に第1集で使用したオルガンが、火事で教会ごと失われてしまった。当然似た音のオルガンを探したことは想像に固くないが、グールドのお眼鏡に適う適うオルガンは見つからなかったのだろう。それでオルガンによる後半部の録音を断念したという結果は納得できる結末だろう。第2部のピアノ演奏も結局後半全部ではなく、一貫性がまるでない。これら後年のピアノ録音(第2部)はテレビ番組やリサイタルなどでピアノによる第1・2・4・9・11・13・14番などを個別に演奏・録音しただけで、後半部を録音して完結される意図の録音ではなかった。こうなると1962年に録音・発売した前半部の録音は独立した意味を持ってくる。1997年に発売されたCDは全曲版ではなく、寄せ集めの「未完のフーガの技法録音集」に過ぎない。しかも第1・2・4・9番はだぶっている。なお、使用されたオルガンはトロント市キングスウェイのオール・セインツ教会のもので、ケベック州サント・セサントのカサヴァン兄弟有限会社建造のものだった。このオルガンの特徴は教会堂内の南側にむき出しになっているポジティブ・オルガンの場所にあるらしい。我々の常識をことごとく破壊するグールドだが、このフーガの技法(第1部)にこそグールドの真意が詰まっていると見るべきだろう。
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