商品コード:1426-036[Qualiton] R.リッチ(vn)/ ドホナーニ:Vnソナタハ短調Op.21, R.シュトラウス:Vnソナタ変ホ長調Op.18
商品コード: 1426-036
商品詳細:リッチは'50年代DECCA(LXT)にシュトラウスのソナタを入れているが、これは'63年頃のハンガリー録音。他からは出ていないと思う。このあと彼は米DECCAに移籍し、多数の録音をすることになり、多くの駄作も作られた。この録音はまだまだリッチがたっぷりの情熱を持っていた時代で、その美しい音と無駄のないシンプルな表現で、この曲の代表的な演奏と言える。本当に米DECCA時代と比べると別人のごとく美しい音を出している。ヴァイオリニストであるルッジェーロ・リッチ(1918- 2012)はイタリア移民の両親の下、アメリカのカリフォルニア州に生まれ、世界的ヴァイオリニストとなった。リッチは「生涯で65カ国以上を巡り、6,000回以上のコンサートを行った」とされる、クラシック界きっての超多忙なツアー・ヴァイオリニストである。1960年代、彼は鉄のカーテンを越えて東欧諸国へも頻繁に演奏旅行に出掛けており、ブダペストを訪れた際のタイミングでこのレコーディングが企画・実現したらしい。当時、ハンガリーの国営レコード会社(のちの Hungaroton / フンガロトン)は、西側の著名な演奏家を自国のスタジオに招いて録音し、国内外に販売する独自の文化戦略を推進していた。同時期の他の東側諸国(ソ連など)に比べ、ハンガリーは「グヤーシュ共産主義」と呼ばれる比較的穏健で開放的な政策をとっていた。西側のスター演奏家であるリッチを起用することは、レーベルの国際的ステータスを高める絶好の機会であり、Qualitonはルッジェーロ・リッチを迎え入れた。この録音のメインであるエルンスト・フォン・ドホナーニは、ハンガリー音楽界の近代における偉大な先人(ピアニスト・作曲家)である。ハンガリー側としては、自国の偉大な作曲家ドホナーニのソナタを、世界最高峰の技巧派リッチに弾いてもらうことに大きな意義があった。その伴奏者として、リスト音楽院の若き天才ピアニストであり、同国の音楽伝統を正しく受け継ぐフェレンツ・ラドシュが選ばれた。「世界を旅するリッチのスケジュール」と「西側の名手を招きたかったハンガリー国営レーベルの思惑」、そして「ハンガリーが誇る名曲ドホナーニを最高の布陣で遺す」という目的が一致して生まれた、奇跡的な国境越えの録音であった。そしてこれが唯一のハンガリーでのソナタ録音となった(フィルハーモニア・フンガリカとの協奏曲:VOX録音はある)。リッチの唯一のQualiton録音である。いつものように腕が冴えるが、ここではやや穏やかに歌うような演奏としている。ハンガリーへの敬意が演奏に現れている。リヒャルト・シュトラウスはドイツ生まれだが、自作の交響詩「死と浄化」を指揮するためブダペストを訪れたことがある。長い間、R.シュトラウスはブダペストにおける最も急進的な近代音楽の代表者と見なされていた。ベーラ・バルトークやアルノルト・シェーンベルクといった若い作曲家たちは、それぞれの時期にR.シュトラウスのモダニズムから大きな影響を受けた。B面はそのような縁からR.シュトラウス:Vnソナタにしたのだろう。ドホナーニより抒情的であり、両面でバランスのとれた1枚となっている。
R.リッチの在庫一覧へ














